長良川の鵜飼 |
(2004/5) |
「人間だけが火が使えるというのはなんでだろう? なんで猿やチンパンジーは手が器用で頭がいいのに火を使わないの?」 こんな事を考えた事はなくても、言われてみると答えにつまります。基本的に、動物達は火を使えません。本能的に火を恐れているからです。人間自身も、太古においては火を恐れていました。 乾燥したりすると、強風にあおられた木々は摩擦によって野山に火事を発生させ、火山の噴火では溶岩などによる火災、落雷時にも火は発生しました。これらの自然発火は、動物だけではなく原始の人々にとっても、生命を脅かす危険な災害として恐れられていました。このように、なんらかの要因によりほとんどの生物は、「火」に遭遇しています。間近にいれば、熱かったり、やけどをしたりするので動物はもちろん、人間も近づきませんでした。 ところが、そうした自然の発火がやや下火になり、温度も下がり始めるとその場所に近寄る事が出来ます。すると、いままで食べていた木の実や草の根、さらに逃げ遅れた小動物も火に焼かれて、ちらほらと…。当然、いい臭いもでていた事でしょう。試しに拾って食べてみると、今までの食生活には無かった風味と味わいを体験した事は、すぐ想像出来ます。当然、動物たちもそこまでは同じ事をしたと思いますが、太古の人々は何度もこのような経験を重ねているうちに、偶然ではなく常に「美味」を手に入れたいと思ったのでしょう。もしかしたら、火によって物質変化をした石など「道具にしたい」と思ったのかも知れませんが、とにかくそのような勇気、好奇心のある者が、知恵を絞って『火』を家まで持ち帰ったのでしょう |